マレーシア産ドワーフスネークヘッド
繁殖への道
(vol.5 孵化その後 編)
【channa gachua “malaysia”breeding】
前回の更新から大分日が経ってしまいましたが
繁殖のその後です。
そろそろ孵化するかなという予想をした日に、
数匹の稚魚を見つけ、小さくバンザイをしました。
この動画は稚魚が動いている様子なのですが、
孵化したてのドワーフの稚魚は普通、遊泳性が無く
沈みながらピョンピョンしている程度なので
水面を動くこの姿に若干の不信感を持ったのですが
それでも尻尾を振って懸命に動く姿を見てガンバレ!と応援。(^_^;)
この後あたりから、親の様子が慌しくなります。
特にオス、生まれた稚魚を保護しようと水槽内をパトロールしています。
極小サイズの白いものがあればとりあえず口に含んでみる、
といった丁寧さです。
メスも探す様子を見せますがオスほどではなく、
餌への反応の方が勝ってしまいます。
さて、前回の更新で悪い予感がすると申しておりましたのは、
以前のスリランカ産の孵化時の失敗
(数匹だけが孵化してあとは孵らず、生まれた稚魚も死んでしまう)
があったので、オスが不調にある今回の繁殖に不安があった
ということなのですが。
そんな訳で、大方の稚魚を確認するまでは喜ばないでおこうと…。
で、その翌日も観察をし、更にその翌日、悪い予感が的中しました。

私が水槽の前に立つと、オス、メスともに餌を求めにやってきました。
オスは孵化後も数日は子を守り、餌を摂らないので
「やばいかも…」と思ったのですが、もしかしたらどこか安全な場所に
稚魚を隠しているのかな、と期待を捨てずに水槽をくまなく探しました。
というより、失敗の証であろう孵化に失敗した卵、
が浮遊していないか探しました。
が、稚魚も卵も見つかりません。流木をどかしてもフィルターを探しても…。
どこにも無いということは親が食べたのだろうとしか
想像が出来ないのですが、いずれにしても失敗は失敗です。

繁殖に誘導されるメスが不調で繁殖に失敗するならまだしも、
自分自身(オス)が不調のくせに繁殖しようとしないでくれよ、と思いながら、
次回の繁殖へ向けてオスのトリートメントを始める事に。
この調子では回復させなければまた同じことになりそうなので…。

で、ここから先は治療の話です。
オスは鰭という鰭を閉じ、『棒』のようになっています。
不調時のいつもの状態なのですが、食いはまだそれほど落ちずに
たまには泳ぐ、といった具合でした。
きっと多量の生餌に濾過が追いついていなかったのだろうと考え、
毎日、1/5の換水を行い、病気の線も疑ったので
水温も30℃まで上げました。
また腕にまとわりつかれて鬱陶しくて除去したウキクサも
水質安定に少しは寄与するだろうと復活させました。
が、2週間が経過しても一向に良くなる気配が無いどころか、
メスまでも似たような症状に…。

途方にくれた結果、病気なのかな?と薬浴をする事にし、
とりあえず、エルバージュエースを入れて様子を見ました。
で、近づいてきたメスを間近で観察していたのですが、
よく見ると顔の上に小さな生物が乗っかっていました。
ガラス面に結構発生していた体長1〜2mmの細長い、白い生物で
移動速度が結構速く1秒に5mmくらいは進むナメクジのような、、
プラナリア?ですかね。結構古い水槽の住人です。

コイツがですね、、
ドワーフの眼球すぐ上にある感覚器と思われる穴に
ナント!するする入っていくんですよ…。
「うっわぁ〜…」と思っていると、もう一度…。
鳥肌立ちまくりですが、コイツが犯人か?と疑うことに。
寄生というより、お立ち寄り、という感じだったので、
SHに直接どの程度の影響をしているのか分からないのですが、
少なくともストレスにはなっているだろうと思いまして。

手持ちの薬で効きそうなのは、
イカリムシ、ウオジラミ用のトロピカルゴールド。
こちらも規定量投入。
翌日も奴らはピンピンしているので十円玉を入れることにしました。
なんでも銅イオンの殺菌効果が効くそうで、
幸い、これに弱いエビもいませんし、水草は枯れてもいいや、と。(^_^;)
それでも効果がわからないので、プラナリア?2匹を
スポイトで吸い取りまして容器にとりました。
その容器に飼育水5mmほどと十円玉1枚を入れ、
翌々日に観察してみると動くものは見当たりません。
多少は効果があるかとすがる思いで
財布にあった十円玉を6枚、熱湯消毒して放り込みました。
すかさずドワーフが食おうとします…。(笑)

この水量で6枚では効果は認められないかな〜、
とも思うのですが、随時増加していくつもりです。
今現在、2匹とも一応回復の兆しを見せ、
鰭を閉じる事はなくなりましたが、
全っ然、油断できません。(^_^;)
一番下の写真がメスです。
顔の傷は回復しました。

追記。 ピントが全く合っていませんが白い生物の動画と写真です。
調べてみると、どうやらサイズ的にプラナリアではなさそうで、
ヒルの仲間ではないかと思うのですが、
ご存知の方がおられたら是非教えてくださいませ。(^_^;)
よく食べる肉食魚を飼っていると、
微生物もよく繁殖するもので、ミジンコ、スネール、
ヒドラにミズミミズなど、極小世界も深いですね。
たまにバジスに掃除に入ってもらうのですが、
一時的に壊滅状態に出来ても、ある程度の期間が経つと
また元の状態に戻るので結局、イタチゴッコな感は否めません。
彼らが悪ささえしなければ全然構わないのですが、
可能性としてSHのストレスになり得るかもしれないのであれば
やはり、何とかしてやりたいですね。